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証券会社勤務、20代OLの暇つぶしです…

【004】投資必勝法…?? レイダリオそのセオリーに正義はあるか😏

こんにちは、Miya5です。今日も漸く仕事が終わり、家で久しぶりにゆっくりしているところです…


さて、少し前に投資の“必勝法”と言わんばかりに取り上げられた戦略として、「All Seasons戦略」というものがありました。




レイダリオ氏が提唱している、「どんな天候でも相対パフォーマンスを高める」戦略です。


レイダリオ氏はご承知の通り、1975年に世界最大級のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツ創立、40年以上の投資実績のある権威者です。


同氏は資産価格の変動要因にはインフレ・デフレ・経済成長・経済後退に応じた4つのサイクルがあり、それぞれのサイクル、つまりは春夏秋冬はどの順番で訪れるかわからない、なのでどの季節でも相対的に勝てる分散された資産ポートフォリオを組むことがヘッジの一手段であると指摘しています。


同氏が一つ事例として提唱しているのは


株式:30%
米国債(長期):40%
米国債(中期):15%
コモディティ:7.5%
金:7.5%


なのですが、この比率、お互いの相関係数が特に経済危機等の市場のダウンターンで堅調なパフォーマンスを維持する源泉になっていると指摘しています



…さて、このセオリーに「正義」はあるのでしょうか…😒


これを見て「よし、そうしよう!」と考える人がいるとすれば違和感しか覚えません…わたくしが何を言いたいか…


  • 実現性があるか(他人がポートフォリオ構築が出来たからと言って自分ができるとは限らない)
  • 再現性があるか(過去通用したことは今後通用するのか)
  • 日本の個人投資家にとってベストか

これらのいずれのポイントにも疑義があります…。ダウト…😎


1⃣ まず、実現性について…。こちらは特段疑う余地はなさそうです。株式はS&P 500インデックスやVTI等のETF、国債長期はTLT、中期はIEF、コモディティはDBC、金はGLD等で同じ構成が再現できます。レイダリオは毎日チャートに張り付くことを推奨しておらず、一度投資したら定期的に(例:6-12か月に一度)変動があればリバランスする程度で充分としています。会社勤務の個人でも出来そうです。またHFでも個人投資家でも、低い管理料で同様のパフォーマンスを実現するETFを購入できます。HFと個人の資金力や情報力の差のようなものはありません。


2⃣ 次に再現性があるか…。ここが最大の疑問です。
さて、All Season推奨派の主張には「長い目で見ればベンチマークよりも高いパフォーマンスが実現できる可能性が高い」という指摘ですが、これを例えば以下シミュレーションで検証してみることが可能です


期間…2000年1月以降~2021年6月
この間、ランダム関数で任意の2時点を抽出、始点と終点とする


All Seasons戦略で始点・終点まで運用した場合の年間換算リターン
S&P 500で始点・終点まで運用した場合の年換算リターン


こちらを算出して、All SeasonsがS&P 500を何%アウトパフォームしたかを縦軸、始点と終点の期間(X年)を横軸としてプロットしています。レイダリオの理論通り、市場インデックスを上回れば縦軸で0%・赤線より上、また運用期間が長いほど横軸で右に行くイメージです。


これまでも多くのAll Seasons検証がありましたが、運用期間を一定に固定したり、始点や終点の評価に恣意性が排除されなかったりで、結論ありきのデータ選択がなされていた側面が否定されません。なので人為を排除する「ランダムさん」に登場してもらいます。


ランダム関数は適当ですが500回発生させました(…統計学的に十分ですよね、さすがに…😕 良く知りませんけれども…)


期間が短いほうが説明力が弱いというか、「たまたまその期間そうなっただけでしょ」要素が強くなります…


結果が…こちら▼▼▼



これは何を意味しているのでしょうか…
赤線から上のプロットは、All Seasonsがアウトパフォームしている事例です。
よく見てくださいませ。短気だと赤線より上にプロットがあるケースもありますが、長期になるにつれ、赤線より下の方に収斂しているのが分かります。


解釈…

All Seasonsは10年スパンで見るのであれば株式相場のアップサイドを放棄しうる点で必ずしも有効とは限らない…再現性が高いといえないこともある


3⃣ 個人投資家にとってベストか


そもそもヘッジファンドはその名の通り、「ヘッジ(相場の乱高下に対して資産変動を減らし、守る)」することが目的です。個人投資家で資産100万円でスタートし1,000万、将来的に1億円、10億円と増やすことを目的としているわけではなく、「1兆円をここから倍にするつもりはないが、ある程度安定運用したい。市場暴落時にもダメージを受けにくい構成にしたい」が目的になります。


そして、個人投資家は10年、20年と長い目で見るので一時的な暴落はむしろ買い場でウェルカムだったりしますが、HFからすると四半期ごとのパフォーマンスで評価され、10-20年トいうよりは1-2年でもパフォーマンスが悪ければ解約・資金引き揚げがなされるので、投資の目的が異なることが明白です。


個人投資家で資産が100億円あるのであれば、ぜひAll Seasons採用でも宜しいかと存じます😊私は南の島に浮かぶその日まで、資金を増やしたい思いがありますのでAll Seasonsよりも主に株式で運用することを心がけようと思います…!!




本日のまとめ

  1. All Seasons戦略(株式以外にも債券、金等の下落耐性の強い資産に分散投資)は短期では相場下落局面で市場インデックスをアウトパフォームすることもある
  2.  ヘッジファンドでない個人投資家としては長期の成長率を意識するのであれば、債券や金は積極的に買い進めないで株式集中でもいい気がします


投資は自己責任で…😋

…今週もお疲れさまでした…睡眠不足で足がむくんで死にそうですが、皆さんよい週末をお過ごしくださいませ…


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